M&Aの流れ
ラーメン店M&Aの流れ
店名を伏せた初期相談から、秘密保持契約(NDA)、資料整理、現地確認、契約、引き継ぎまで、情報開示を段階的に進めます。
M&Aの基本ステップ
店名・所在地を伏せた相談
希望時期、守りたい条件、伏せる情報を確認。
ノンネーム資料の作成
店名を伏せ、業態・規模・強みだけを資料化。
秘密保持契約(NDA)の締結・情報開示
候補先の関心を確認し、候補先の名前と開示範囲について譲渡企業様の事前同意を得たうえで、秘密保持契約を結び、段階的に情報を開示します。
現地確認
厨房、客席、設備、人材、契約関係を確認。
条件交渉
価格、雇用、屋号、味・レシピの承継、引き継ぎ期間を整理します。
契約・承継
必要な承諾・手続と決済の前提条件を確認し、最終契約、クロージングを経て、営業の引き継ぎへ進みます。

デューデリジェンス(DD)前の確認事項
現地確認前に、譲受候補先からの質問に答えられる状態をつくります。
- スープは誰が炊けるか 炊き上げ時間、火入れ、濃度、保存、仕込み担当。
- 製麺所は引き継げるか 麺の仕様、ロット、配送、支払条件。
- ピーク時は何人か 麺場、ホール、洗い場、提供時間、待ち列。
- 賃貸借と設備 貸主承諾、造作譲渡、機器リース、排気、消防・保健所。
営業を引き継ぐための準備
契約前に、必要な資料と実行条件をそろえます。
価格が合意できても、同じ場所・屋号・体制で営業できるとは限りません。取引方法に応じて、確認先・担当者・期限・費用負担を整理し、未完了の事項は決済の前提条件や日程へ反映します。
表は横にスクロールできます。各項目の要否は、法人・個人の別、譲渡対象、契約、施設の状況で変わります。
| 確認項目 | 用意する資料 | 実行前に決めること |
|---|---|---|
| 営業許可・衛生 | 許可証・届出控え、施設図面、譲渡対象の契約案、衛生管理計画・記録 | 事業譲渡では、許可・届出に係る営業の全部を譲る場合の地位承継制度を保健所へ事前相談します。「全部」は会社の全事業という意味ではありません。譲受人は譲渡を示す書面を添え、遅滞なく届け出ます。施設・営業内容を変える場合の手続は別に確認し、仕込みから提供までの衛生管理と記録も引き継ぎます。 |
| 賃貸借・撤去 | 賃貸借契約、敷金・保証、造作・原状回復の条項、残す設備一覧 | 賃借権の譲渡には原則として貸主の承諾が必要です。法人の株式譲渡でも契約上の支配変更・通知条項を確認します。賃料、残置・撤去範囲、費用負担、引渡日を書面で整理します。 |
| 味・屋号・FC | レシピと工程表、商標の登録情報、製麺所・食材卸・FC契約 | 自店が持つ権利と、本部・製麺所等から使用を認められた情報を分けます。開示・利用・譲渡の範囲、本部等の同意、必要な商標移転登録、供給条件を確認します。再現指導の担当・期間・完了基準も合意します。 |
| スタッフ | 労働条件通知書、雇用契約、勤怠・賃金、役割と勤務希望の一覧 | 事業譲渡で労働契約を移す場合は、新しい雇用主や労働条件を十分に説明し、協議の時間を確保して本人の個別承諾を得ます。株式譲渡では同じ法人が雇用主として続きます。店長・仕込み担当の意向と初日のシフトを確認します。 |
| 厨房・排気設備 | 機器台帳、購入・リース・貸与契約、点検・修理履歴、更新見積 | ゆで麺機、冷蔵冷凍庫、排気ダクト、給排水等の所有者と状態を確認します。修理・交換・撤去の負担、清掃・保守の引き継ぎを決め、設備変更時の消防等の手続は管轄へ確認します。 |
株式譲渡で法人が継続する場合と、事業譲渡で資産・契約を個別に移す場合では、必要な対応が異なります。未確認の項目は「確認済み」とせず、必要な承諾や手続が整わない場合の延期・条件変更も協議します。売却価格と手取りは別に計算し、借入・保証、敷金、在庫、税金、外部費用の扱いを確認します。
主な制度の確認先(2026年9月13日確認):東京都:食品営業の地位承継と届出/厚生労働省:事業譲渡等指針/厚生労働省:小規模事業者の衛生管理。所在地の窓口と実際の契約に基づいてご確認ください。
現場ヒアリング
現場経験者が現地で確認する事項を、あらかじめ整理します。
候補先が現場で聞くのは、表面的な売上だけではありません。誰が炊くか、何時に仕込むか、ピーク時に何人で回すか、貸主が承諾するかまで、あらかじめ回答を整理します。
何時に炊くか
スープの炊き上げ、火入れ、かえし、香味油、保存、仕込み担当を確認します。
誰が回すか
麺場、ホール、洗い場、仕込み、店長、アルバイトの役割と退職の可能性を確認します。
ピークを何人で回すか
提供時間、待ち時間、客席の回転率、昼・夜別の杯数を、現地確認前に整理します。
厨房に無理がないか
排気、グリスト、冷蔵庫、券売機、造作、動線の詰まりを確認します。
貸主の承諾を得られるか
賃貸借、造作譲渡、名義変更、保健所・消防、FC契約の論点を分けます。
いつ誰に知らせるか
従業員、常連、取引先、商店街への告知時期を、秘密保持と営業継続の両面で設計します。
関連テーマ
ラーメン店M&Aであわせて確認したいテーマ
業種・地域・実務上の論点を、ご相談前に確認しやすい形で整理しています。
ご相談前の確認
よくあるご質問
ラーメン店の売却・M&A・事業承継をご検討中の方に向けて、ご相談前に確認しておきたい論点を整理しています。
ラーメン店M&Aはどの順番で進みますか?
概要の相談と匿名資料の整理から始め、候補先への打診、事前同意・秘密保持契約に基づく開示、現地確認・調査、条件交渉、最終契約、決済、引き継ぎへ進みます。基本合意や調査の時期、一部を並行するかは案件によって異なり、承諾や手続の状況に合わせて日程を調整します。
最初から店名を出す必要はありますか?
ありません。初期段階では店名や所在地を伏せ、業態、規模、エリア、譲渡理由、譲渡条件を整理します。候補先の名前と開示範囲について譲渡企業様の事前同意を得たうえで、秘密保持契約(NDA)を結び、必要な情報を段階的に開示します。
成約までどれくらいかかりますか?
店舗規模、資料整備、候補先の検討速度、賃貸借契約の承継、従業員への説明、味の引き継ぎ条件により異なります。急ぐ場合でも情報開示の順番を崩さないことが重要です。
譲渡後の引き継ぎでは何を決めますか?
仕込み、レシピ、仕入先、券売機の設定、常連客への対応、従業員への説明、屋号の利用、店主の出勤期間、SNSや口コミへの対応などを決めます。
